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変わる食卓

2017年6月23日

「GS世代研究会」では「食と健康の分科会」で、「60代の食卓」をテーマに議論を重ねている。そこで気が付くことは、経済的なゆとり以上に時間的なゆとりが現役時代と大きく異なるということだ。
世話役の「リサーチ&ディベロプメント(R&D)」のモニター調査からは、
「この世代のおよそ4割が食事とともにお酒を楽しむ。この数は全世代で最高」
「アジ、サンマ、エノキなど"旬"の食材を好んで調理する傾向が強い」
「玄米、雑穀米入りごはんは「GS世代」が一番多く食べている。健康やバランスを意識した食生活に最も関心がある世代」
「調理について"時間がない"という回答が最も少ない」
こうした傾向が鮮明になっている。
これについて、小林久美子取締役は、
「手を抜くより手間を掛けたがる。食材選びから調理、そして食べるまでを楽しむ傾向が強い」と分析する。
そして調理する主婦のモチベーションに大きく関わるのが、一緒に夕食を食べることが多くなった夫との関係だ。
「おいしいね、と一言言ってくれるとすごく嬉しい」といった声が寄せられる。
R&Dではモニターの「GS世代」主婦たちを集めて「iDOBATA」というネーミングのざっくばらんなグループインタビューを定期的に行い、企業の商品開発の参考にしてもらっている。
「モニターの人たちは、一般に恵まれた生活をしている方だと思いますが、それでも価格に対してかなり厳しい感覚を持っていると感じます。豪華な海外旅行を楽しむ反面、日常生活は決して贅沢三昧ではありません。蓄えはあるとはいえ年金暮らし、ハレの日とケの日のけじめをつけています」(小林取締役)

小林さんはグループインタビューの会話から「「GS世代」は年寄り扱いされることを好まない」と感じるそうだ。
「孫と食事をするのは好きだけれど小学生と食事する敬老イベントへの参加は勘弁、という話に皆さんうなずいています」

シニア向け商品がヒットしないのは、作っている人が若すぎるからという指摘を「GS世代研究会」内部で耳にする。
市場に耳を傾ける努力がさらに求められる。

田舎暮らし提案

2017年6月21日

大手住宅メーカーが全国の風光明媚な地に展開する別荘分譲地で、別荘としてあるいは田舎暮らしを考える人たちを対象にした分譲のためのフェアがこのほど開催された。会場には自治体関係者もかけつけ定住誘致を呼びかけた。
集まった人たちは「GS世代」がほとんどだが、男性が一人で来ている人も多く、そんな人ほど熱心に担当者に質問していた。
定年後地方定住を夫が考えても、妻の方は「いやよ、なんで今更知らない人ばかりの所へ行かなければならないの」ということになりがち。だからこうしたフェアや定住セミナーには夫婦ペアで来る人ほど実現可能性が高いと、以前北海道の高橋はるみ知事が話していた。
ただ「田舎暮らし」は「GS世代」攻略のキーワードであることは間違いない。
首都圏の新聞でよく目にする「田舎暮らし」と大書きした不動産広告。
この広告は、東京の不動産会社が、茨城県鹿嶋市の新築や中古住宅、土地などを販売する際に、「田舎暮らし」を一つのキャッチフレーズに統一コンセプトとしている。中古で1000万円以内、新築で2000万円以内がほとんど、都内のマンションと比べればかなり安い。
実際現地に行ってきた。
茨城県鹿嶋市は、都心から東関東自動車道に入りクルマで2時間ほど。
ある一画ではなく、鹿嶋市内各地の新築、中古住宅と空き地を販売しており、農地に隣接しているところもあれば、周りに住宅が立ち並んでいるところと様々だ。
海にも近く、自然も豊かだが、この地で仕事を得たいと思っても難しいだろうし、東京からそう遠くはないと言いながら、やはり通勤は難しい。
リタイアした人が、自然と触れ合いながらゴルフや家庭菜園などで余生を過ごすというロケーションであると納得した。
チラシに掲載されている購入者の感想はみなリタイア組。
チラシ掲載を了承するくらいだから、好意的なのは言うまでもないが、もしここが本当の「ど田舎」であれば、これから身体が不自由になるかもしれない年齢に近くなって、あえて住みたいと思ったかは疑問だと思う。
「そこそこの田舎であることに安心して移住した」というのが正直なところではないだろうか。
 

2017年6月19日

愛好家から「伝説のチーズケーキ」と呼ばれているチーズケーキがある。
百貨店などで販売しているわけでもないし、大きな看板を掲げた店舗もなければホームページすらない。ところが、芸能人がテレビや雑誌で手土産に愛用しているなどと紹介してから、何とか手に入れたいという人たちが必死で探して注文する、という商品だ。
その経営者に会った。
場所は東京の郊外の住宅地ということだけしか書かないという約束だ。
「自分の家の厨房で焼いていて大きな工場と言うわけではありません」
主人であり、実際にチーズケーキを作る職人でもある小林京子さんはそう語る。

小林さんは62歳、東京渋谷区の出身。もともと輸入インテリアショップに勤めていたころにチーズケーキとの出会いがあった。
「銀行の待合室に料理レシピのパンフレットが置いてありました。何気なく持ち帰り作ったパイナップル入りチーズケーキがとてもおいしく、以来この濃厚な味のお菓子の虜になりました。お友達にプレゼントしたら喜んでくれて、それが嬉しくてとうとう本業にしてしまいました」

趣味を本業にしたわけだ。
「GS世代」がビジネス起業する大きな動機に、この「趣味を仕事へ」というパターンがある。
インテリアショップ時代のお客さんだったお茶の師匠、踊りの師匠たちが次々においしさを語り、口コミで広がる。
「何しろつくるのは私一人だけ、店員も弟子もいません。だから商売として大きくはできません。それなのに全国からどこで知ったのかご注文をいただいて年末などは数週間待ちをご勘弁いただいています」
3種類のチーズと4種類の卵の配分が企業秘密だという。
試食させてもらう。
口の中に広がる濃厚な味わい、たしかによそでは味わった経験がない。
珈琲はもちろん、ワインなどにも合う。実際たった一軒だけ数量限定で置かせてもらっている店はなんと酒販店なのだ。
「たしかに、コストは大変です。でも私にとってチーズケーキは人生そのもの。味を理解してくださる方にわかっていただければ幸せです」
趣味を生きがいにする。
「GS世代」の取り組みである。

2017年6月15日

高度成長期に大きく発展した日本のカラオケ産業。
若いころからマイクをもって歌うことに慣れ親しんできた「GS世代」に健康維持のために音楽に触れ合う機会を提供しようという動きが広がっている。
第一興商が呼びかけて設立された「日本音楽健康協会」には、NTTやメガバンク、セコムなど多くの企業が名前を連ねている。
「高齢者の介護予防と生活機能改善に、うたと音楽のもつ力を利用することを学術的に研究し、それをひろく展開させて社会貢献することが目的です」
代表理事の林三郎 第一興商社長はこう語る。

「幸せは、歩いてこない、だから歩いてゆくんだね♪」
舞台上の音楽健康指導士の萩本尚美さんの指導に合わせて集まった人たちが手足を動かす。
モニターにはカラオケ機械をベースに開発したエルダーシステムによる音楽体操の模範演技が映し出されている。
熊本県天草市で病院や老人施設を運営する永寿会。日頃からこのシステムを利用するお年寄りは多いが、この日は音楽指導士の「直接指導」とあってたくさんの人が参加、熱心に体を動かした。
「音楽に合わせて楽しく身体を動かすことで無理なく運動ができます。反応がよくなり認知症予防にも効果があることが大学との共同研究で立証されています」(萩本さん)
日本音楽健康協会では萩本さんのような音楽健康指導士の資格制度を作り養成講座を開設している。
「音楽健康指導士の制度は始まって一年、全国に430名の資格取得者がいます。この人たちは自治体などと連携し地域のお年寄りが集まる福祉センターなどのプログラム作成と指導で活躍しています。今後ますます需要は膨らむでしょう」
林代表理事はこう力を込める。
天草で音楽体操に取り組む人たちが、笑顔で楽しそうに体を動かしているのが印象的だった。
介護予防やリハビリというと、「お年寄りが必死に取り組む悲壮感」をなんとなく連想しがち、楽しく歌って踊るという明るさこそ長続きの秘訣だと感じる。

2017年6月13日

「ロコモティブシンドローム」という言葉をご存じだろうか。
「加齢により骨や関節、筋肉などの運動機能が低下することです。平均寿命は世界最高水準の日本ですが、男女とも元気に普通の生活ができるという健康寿命はそれよりもおよそ10年短いのが現実です。それを伸ばすことで医療費を抑え、何より少しでも長くシニアライフを楽しんでいただきたいと思います」
こう語るのはカインドウェア・ヘルスケア事業部の粕淵博さんだ。
カインドウェアはもともと略礼服やタキシードで知られるフォーマルウェアのメーカーだが、ステッキやシルバーカーなどの介護用品市場にも進出、売り上げを伸ばしてきた。近年はそれに加えて介護をする側の人が将来に備えて自らの四肢の衰えを防ぎたいと思うときに必要な商品も販売している。
その代表例がノルディック・ウォークで同社ではポールの販売はもとより正しい歩き方の講習なども行っている。
「ロコモティブシンドローム予防は大きなテーマ、対象は4700万人とも言われています。ヒザ腰が痛くなり、お医者さんに行くと『健康のために歩きなさい』と言われる。そんな方でも始める事ができるのが、ノルディック•ウォークです」(粕淵さん)
粕淵さん自身、全日本ノルディック・ウォーク連盟の公認指導員資格を取得して全国の商業施設などでデモンストレーションを行うなど普及の先頭に立つ。
「発祥はクロスカントリースキーですが、今ではリハビリテーションの現場でも使われるようになりました。両手に持ったポールを前足のように使い4足歩行をするため、身体の90パーセントを活用する全身運動になり、両足にかかる負担を軽減するので体感的には楽に感じますが、逆に消費カロリーは1、2割増えるうえ、姿勢も良くなり、歩幅も大きくなります」(粕淵さん)

私も粕淵さんの指導でやってみたが、なるほど歩きやすい。
ノルディック講習会を始めた自治体も多い。
「ロコモティブシンドローム対策」は成長市場になりつつある。

 

2017年6月12日

ロイヤルグループが展開するステーキ・ハンバーグレストラン「カウボーイ家族」。
週末ともなると、空席を待つ行列が入り口付近にできる。
主役は三世代家族だ。あちこちのテーブルからバースデーソングが聞こえてくるのは家族の「ハレの食事」にここを選ぶ家族が多い証拠だろう。
ここのメニューに「和食」はない。祖父母同伴というより、「レジの支払いは祖父母が担当」という食事でも、いまやステーキは定番である。
「当社の食卓調査でもシニアの肉食傾向は顕著です。ステーキやすき焼きといったメニューの出現率は18~69歳のなかで、60代が一番多いのです」
こう語るのは、リサーチ・アンド・ディベロプメント(R&D)の堀好伸さん。
R&Dでは、全国のモニターから毎日1000サンプルのデータを回収、夕食メニューの決定動機、飲料やデザートの種類などを調査している。
「もちろん刺身、焼き魚や煮魚もよく食べてはいますが、肉食や揚げ物を避けているわけではありません。実はとんかつ、フライ、コロッケなども10~30代より多く夕食で食べています」(堀さん)

「GS世代」になると子供たちも独立、夫婦二人だけの生活をしている家庭も多いから揚げ物などを作る頻度は落ちるが、決して嫌いなわけではない。そこで週末など孫たちも来る日を選んで、そうしたメニューにしたり、天ぷら店に食べに行く、あるいは総菜コーナーで買ってくるなどしているという調査結果が報告されている。

「子供や孫が来ると大盤振る舞いするという「GS世代」が多いようです。若い人の冷蔵庫には何もない、だから誰かが来たら何か作れるようにつねに冷蔵庫の中には材料を準備しています」
R&Dのモニター主婦はこう語る。

「GS世代研究会」の家電メーカーからも「シニア世帯の冷蔵庫は小型化するという傾向は全くない。週末に向けてコストコで大きなピザを買ってきて、おじいちゃんのうちにピザが買ってあるぞ、と孫を誘う傾向がある」という指摘がある。

シニアの食をめぐる環境は大きく変わっている。

 

サクランボ

2017年6月 9日

大学を出て就職したNHKの初任地が福島だった。
東京生まれでふるさとと呼べるところがない私にとって、福島の自然と人々とのふれあいは大きな財産だ。
その福島が苦しんでいる姿は耐え難いものがある。
福島市郊外に広がる果樹園は、一年を通じて様々な実りがある日本有数の果樹地帯だ。
6月のサクランボに始まり、モモにナシ、そしてリンゴと「果物カレンダー」は忙しい。

「福島盆地は内陸性気候で夏は暑く冬は寒いメリハリのある環境です。年間降雨量が少なく温暖で、くだものの生育にこれ以上ない最良の土地なのです」
こう語るのは「みちのく観光果樹園」の片平新一さんだ。
その果樹地帯がひっそりとしている。
最大の理由は観光果樹園を訪れる人が激減したことだ。
放射能の風評被害に加えて、一時期吾妻山の火山活動が活発になり入山規制がとられたこともあり、果樹地帯を抜けて山岳道路を回遊する観光バスやマイカーが減った。
「原発事故から6年、放射能の影響もほとんどなく、また火山活動も落ち着いているんですが、観光客はなかなか戻ってきません」(片平さん)
そのため片平さんの農園では、通信販売に力を入れている。
「郵パックはじめ多くの通販に売り込みをかけました。今ではほとんどの売り上げを通販であげて、うちに限ってみれば震災前の水準を上回るくらいの売り上げになりました。この時期はサクランボがたわわに実り収穫に忙しく猫の手も借りたいくらいです。贈答用のサクランボ『佐藤錦』はひと箱1万円くらいのものもあり、やはり「GS世代」の富裕層がいいお客さんです。若い人では手が届かない金額だと思います」(片平さん)
周囲の農家の中には後継者難もあり廃業した農家も少なくないという。
「うちは法人化して作業する人を雇うなど、規模の拡大にも努めています。通販はありがたいですが、やはり昔のようにたくさんの観光バスが次々に横付けして賑わっていた頃が懐かしいです。福島の本当の復興はまだまだこれからです」
片平さんはこう語った。

 

新開講 「モーニングエクスプレス」

2017年5月31日

15年続けてきた「朝いちばん」をこの8月までで終了し、9月から新生「モーニングエクスプレス」としてスタートします。
これまで以上にスピーディーに当日朝のニュース解説とビジネスへの影響などの解説を増やします。

また、企業単位での御参加を促すために、会費も「朝いちばん」の半分、しかも二人目からはさらに割引にしました。
「元気塾」に来られない方の振り替えも可能としています。

詳しいことは コンサルティング・エースにお問い合わせください。

モーニングエクスプレス_案内A4★.pdf

30代 私も化けるか 60男

2017年4月20日

★62歳女性が、ミニスカートにノースリーブで30代と自称していたそうですね。
もちろんそれだけでは逮捕されませんが・・・。
もっともテレビや新聞の健康食品の広告でも似たようなものも見かけます。
彼女の事件の本質よりも、その見た目のことのほうが注目を集めています。
若さを保つことは誰でもが関心を持つテーマだということでしょう。
かつて18歳未満お断りと言われて、ドキドキした高校生だった自分が、いまコンビニでビール買えるかなと言っても、ジョークにもとられず、馬鹿かと言われますわ。
やってみるかな、「私平成生まれです」

 

怒鳴るぞ 虎三

2017年4月10日

時は元禄。
コメ問屋トップの大店(おおだな)、米穀屋の元締め会は大荒れだった。
ここは近代経営で、世襲ではなく元締め会で次の経営者を決める習わしだった。
前の当主、小浜馬楽の後継で、この封建の時代に初の女性当主就任が噂されていた番頭の平井栗が、丁稚たちに支持されたお目付役の虎三たち一派のたくらみで不正を糾弾され、解任されたのだ。
当主の座を射止めた虎三は、元締めの中での評判は最悪だった。
「あいつのオヤジは女郎屋で大金持ちになった」
「あいつはオヤジのコネで奉行所に入りびたりで、お上の情報など事前に察知して動くなどご法度違反すれすれ。あんな奴が当主だと米穀屋は危ない」
「おんなに ばくち、はらはらするぜ」
江戸ではこんな行状を「はらすめんと」と呼んだ。

当主になるや否や、虎三は内外に支離滅裂なことをわめき散らした。
「隣にめきめき業績を上げているちっぽけなコメがある。あそこは安い人件費で大店に挑戦するなんて怪しからん。よし店の前に垣根を作り邪魔してやる」
馬鹿かあいつは、店内での嘲笑も虎三には届かない。
いつしかあだ名がついた。
「怒鳴るぞ 虎三」

この虎三の登場を忌々しく思っている男がいた。
金田屋三代目当主、金田浄雲だ、
金田屋は世襲経営でのれんを守ってきた。
丁稚を安い賃金で働かせ、当主だけは利益をむさぼっていると世間の評判は悪いが、経営者一族の経営に賭ける気持ちは強い。
北前船の権益を米穀屋に奪われてはならじ、と決意していた。

「なに金田屋?あんなもの踏みつぶしてくれるわい」
金田屋が、もし米穀屋がヤクザを派遣してくるなら、飛び道具を用意して命がけで戦う決意を固めていることを、虎三は軽視していた。
「おい軽兵、行ってこい。金田屋の若造の首を取ってこい」
虎三は手下の軽兵に命じると敏速に行動に出た。
余りの早い決断にこのあと江戸では拙速に行動することを「カールビンソン」と呼ぶようになる。
軽兵が仲間と金田屋に押し入ると、浄雲自らドスをもっていきなり襲い掛かった。
軽兵は胸を刺され即死、ほか三人も怪我をして命からがら逃げかえった。
浄雲は奉行所にとらえられたが、取り調べで米穀屋の虎三の無法ぶりを訴えた。
虎三は奉行所のお沙汰が出る前に、金田屋に乱暴を働き、営業妨害することは大店にふさわしくないと米穀屋の元締会から糾弾され当主を解任された。

浄雲は打ち首の刑になった。
中小企業の当主はお家を守ろうと思えば生命をかける。
大店の当主は役職を解任されるだけ。
一生懸命のれんを守ろうとした浄雲の願いはむなしく、金田屋はおとりつぶし、
大店米穀屋は今日も商いで賑わっている。

 

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