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西村晃の路地を曲がれば、もう旅人

第17回 8月 直島

瀬戸内海に浮かぶ美術リゾートの島、直島。
私は三度めざして二回行った。
一回は台風に遭遇して諦めた。
海岸に置かれた彫刻を嵐の中では見たくない。
やはり背景に青空が欲しい。
私はこうした観光スポットは出張のついでに回ることにしている。

何か月も前から予定していて悪天候だったらがっかりする。
混んでいない平日の出張を利用し、仕事の前後に天気が良ければ行ってみるという感覚が理想だ。
関西からの日帰り客も多い。


晴れた日の海岸線は美しい

岡山からJRで宇野へ、ここからフェリー。
あるいは高松からも船がある。
直島は路線バスのダイヤを調べて上手に乗り継ぐか、レンタサイクルで回る。
直島は銅の精錬などで知られるが、排出ガスで山ははげ山、荒れ果てていた。
そこをベネッセコーポレーションが開発し、ホテルや美術館などを次々に建設、国際的なリゾート地に仕立て上げた。

確かにベネッセが経営するホテルに泊まり、至福の時間を体験するのもいいが、費用も馬鹿にならない。
夫婦や恋人との記念旅行というならばまだしも、出張のついでに訪れるくらいならば日帰りでも十分。

宇野からの船が着く宮ノ浦では草間彌生の「赤かぼちゃ」がお出迎え。


宮ノ浦港の赤かぼちゃ

港から町営バスで「つつじ荘」へ。
ここからシャトルバスに乗り換えて地中美術館などベネッセが展開するミュージアムを回る。
建物の中の美術作品もさることながら、現場で作られた作品が海岸に置かれそれをマップ頼りに見てゆくと道に迷わない。
小高い丘から作品を鑑賞しながら歩いて海岸まで下れば、ベネッセハウス宿泊棟に出てくる。
安藤忠雄氏が設計し、美術館とホテルが一体になっている。
ここの庭にもいくつか美術作品が置かれているが、宿泊しなくても鑑賞可能。
それらの先、海に突き出している黄色い「南瓜」を発見、この色合いは感動的だ。


ベネッセハウスの庭にも作品が点在する

島の中に美術作品がちらばる

シンボルの草間彌生「南瓜」

ここから先ほどの「つつじ荘」バス停は近い。
再びバスで「農協前」で降りる。
かつて瀬戸内海水運で栄えたこの島には古民家が残る。
そこを美術作品の展示場所として利用しようというのが「家プロジェクト」。
数軒に分かれて点在しているが、帰りのフェリー接続のバスが来るまでの時間を活用して見て回ればよい。


古民家を利用した「家プロジェクト」

精錬で活況だったころから人口は半減、ベネッセの進出にも最初は懐疑的だってといわれる島民たちだが、地元の無人化した廃屋を利用する「家プロジェクト」やなにより欧米の観光ガイドで直島が紹介されて観光客が増えていることで新しいカフェや民宿をつくりこの勢いに乗ろうという人も増えている。

地域再生のモデルケースという評価が高まる直島を見学するチャンスがあれば、ビジネスヒントにもなりそうだ。