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西村晃の路地を曲がれば、もう旅人

第22回 1月 まだまだある 行ったことがない日本 「対馬」

年に列島6~7周、年間宿泊200泊、毎日が出張という生活だから国内で行ったことがないというところはほとんどない。
数少ない未踏の地が、対馬だった。
韓国までわずかに50キロ、「国境の島」だ。

土地勘がないとピンとこないが、ここは長崎県。
博多から高速船などがでているし、飛行機なら福岡と長崎からの便がある。
福岡空港を飛び立ったジェット機は30分ほどで「対馬やまねこ空港」に着く。
ツシマヤマネコは天然記念物、絶滅危惧種で推定100頭が現存する。
この島は山林に覆われており、他にも貴重な動植物が命を保っている。
島内の移動はレンタカーが便利だ。

島内最大の町、厳原(いずはら)。
韓国からの観光客を乗せた観光バスが連なっている。
JR九州を含めた三社が釜山との間で定期船を就航させている。
ここから釜山まで2時間、日帰りが多い。
韓国から見れば最も近い外国、ツアーは1万円弱だ。
釜山の港で出国手続きをして自国のロッテ百貨店などの免税店で化粧品などを買うとお得、というわけだ。
ブランド品を買うのが対馬旅行の最大の目的、らしい。


韓国からの日帰りツアーが詰めかけている

島内あちこちに歓迎のハングル語が・・

対馬は元寇により大きな被害を受けた。
また秀吉の朝鮮出兵の後、外交修復を図ったのがこの地を支配していた宗家で、「万松院」には歴代藩主の墓がある。

さらに、ここには歴代徳川将軍の位牌がある。
それは朝鮮との外交交渉において宗家が、日本の全権委任大使であったことを示すものだったと理解される。
また朝鮮通信使が、この地を経由して江戸に向かっており、その碑なども残る。


宗家菩提寺の万松院

江戸時代、朝鮮通信使を迎えた

国境の島は、時代の荒波の中で生きてきた。
明治になると日清日露戦争の最前線基地としての役割も持った。
日本海軍の基地として人工的に開削した瀬戸に架けられた「万関橋」からの渦巻く潮流の眺めは圧巻。

その橋を渡ると、島で一番の観光スポット、和多都美(わだつみ)神社は近い。
彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祭る海宮で、竜宮伝説で知られる。
5つの鳥居のうち2つは海中にあり、潮の干満によりその様相を変える。


竜宮城伝説の和多都美神社

神社から坂を上りきると烏帽子岳展望台に至る。
360度のパノラマで連なる山々、リアス式海岸、そして大小の島々を臨む。
対馬近海はブリやイカなどの好漁場で、ウニにアワビ、岩のりなど食通には堪えられない。
博多に出張のついでにもう一泊というなら、「島」という選択も悪くない。