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西村晃の路地を曲がれば、もう旅人

第25回 5月 「港から上陸する旅の魅力 八幡浜」

四国の旅が好きだ。
のんびりできる。
とくに船を使えば楽しさも倍増、飛行機や新幹線だけの味気ない旅は余暇を楽しもうというときにはお薦めできない。
ゆったりと流れる時間、大海原見ながらぼんやりもよし、広間で大の字になっての移動も醍醐味だ。
今日は別府から、八幡浜、松山に抜けるルートを紹介。

前日博多で仕事を終え別府に泊まる。
この街ではビジネスホテルでも温泉大浴場がある場合が多くありがたい。
翌朝、別府港からフェリーで四国八幡浜へ。
豊後水道の船旅は3時間弱、俗世を忘れるには程よい時間だ。
途中から左手に長い佐田岬を見ながら進む。
風が強い海沿いの山にたくさんの風力発電の設備が見える。


船から佐田岬の風力発電所が見える

昼ご飯が食べたくなる頃に八幡浜着。
3万8千人の八幡浜市、みかんと魚のまちだ。
港から見える小高い丘陵地はみかん山、この辺りは日照条件がよく早生のミカンつくりに最適で、東京大田市場で日本一の値がつく「日の丸みかん」がつくられている。
魚はタイからアジまで魚種豊富に水揚げされ、蒲鉾やじゃこ天などの水産加工が盛ん。
そうした地元の産物を一堂に集めた「みなっと」と呼ぶ「道の駅・みなとオアシス」が、フェリー乗り場前にある。


埋め立て地に完成した「道の駅・みなっと」全景

1万5千坪の埋め立て地に、卸売市場、緑地公園とともにつくられたこの施設、水産物直売店、飲食施設、地元産品市場などからなる。
私が食べたのは八幡浜名物のちゃんぽん、市内には53軒ものちゃんぽん店があり、それぞれ趣向を凝らしたメニューで競う。


みなっとの中の海産物直売所

じゃこ天入り特製ちゃんぽん

さて八幡浜に来たお目当ては、小学校だ。
この市には戦後初めて木造建築で国の重要文化財に指定された日土(ひづち)小学校がある。


木造重要文化財「日土小学校」

建築の世界では権威のあるワールドモニュメント財団のモダニズム賞を昨年受賞した。
地元の建築家、松村正恒の設計により1956年に完成したこの校舎、台風被害をうけて忠実に保存再生が行われた。
木造2階建て、水平連続窓などモダニズム建築の香りの漂う外観ながら切り妻屋根を載せるなど地元の風土との調和も考えられている。
川の上にせり出したベランダ、工夫を凝らした図書室、北側の廊下も採光を十分考慮に入れ明るくくつろげる空間にするなど斬新な工夫が随所にみられる。


川にせり出したベランダ

採光の工夫で電気なしでも明るい廊下

日頃は53人の子供が通う現役の校舎、夏休みなどに見学会を催しており年に数千人が参加する「有名な小学校」でもある。
次回見学会は夏休みに予定。

宿泊は近くの温泉か、松山まで移動し道後温泉に泊まるか悩むところ。
歴史的町並みで知られる内子町、そして松山市内の「坂の上の雲ミュージアム」などの人気スポットを周る余裕があれば最高だ。
九州からフェリーで四国に入る意外性が、旅にアクセントをつける。